いろんないろいろ

好奇心の赴くままに興味の持った話題について記事にしていこうと思います

今は昔、パワハラ教師がいた。

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今は昔のこと。ちょうどおれが高校生の頃。

 

おれは当時運動系の部活にはいっていた。その部活の顧問がマジでイカレなクレイジー教師だった。仮に名前を田中(仮)としよう。見た目は大森南朋ピエール瀧を足して2で割ったような顔をしていた。

 

 

 

田中は鬼

 

その部活に入部する前はえびす様みたいな笑みで部活勧誘をしていた人の好さそうなおっちゃんだった田中だったが、俺らが入部して2回目の練習には既にスパルタ教育を始めだした。

田中は、界隈では超有名なスパルタ体罰教師だったのだ。

先輩部員はケツをしばかれているし、部活中は水分補給が禁止(何のための水分?)飛び交う罵詈雑言に軍隊式の筋トレ。そしてまたケツをしばかれる。

 

入部を後悔したことは本当に100回くらいあるんだけど、一回目の後悔は未だに覚えてる。それは入部した当初に先輩部員から聞いた田中にまつわる噂だった。

 

田中の噂

 

実は、田中はそのスポーツの指導員では大変有名な人物らしく、実際に顧問になった弱小高校では3~4年くらいで全国制覇を達成するなどの輝かしい実績を持っていた。

 

ただ田中の指導方法は当時から問題視されていたらしく、噂によるとミスをした女子部員の髪をつかみあげ、罵倒を繰り返しながら体育館を引きずり回すという体罰を行っていたというのだ。

当該女子は泣き叫び、体育館にはキレイな髪が所々に落ちていたという。

「田中」なんて優しい名前で相手を油断させておきながらなんて暴力を振るうんだ田中。

 

 

また、他にもとびきりの逸話がある。

俺が入学する5年前くらいだろうか。当時の学校に坊屋春道とリンダマンが束になっても敵わないような筋金入りのヤンキーが一人いたらしく、ガラスを割って回ったり、老人だったら即死するくらいの爆音で走るバイクで登校してきたりと、既に不良の枠を逸脱した恐怖のヤンキーがいたそうだ。

そんなヤンキーはやはり田中と衝突。他の先生が怯えてマトモに指導が出来ないなか田中だけは違った。

 

体育教師だった田中は、体育の時間ヤンキーと揉めた。

そいつが「うるせぇよおっさん」と言えば田中は「おまえは出てけ、授業に必要ない」と毅然とした態度でヤンキーと対峙した。それにイラついたヤンキーは次の日バットを持って職員室に来襲。(ベタだな)「オイゴラァ田中出てこいやあ!!」と引き戸を凄まじい勢いで開けて言い放ったという。

 

しかしヤンキーはそこで不意をつかれる事態に遭遇。なんと目の前に田中が立っていたのだ。

 

田中はその状況に眉ひとつ動かさず、静かに正拳突きを一発放った。それを受けたヤンキーは反対側の壁まで吹き飛び、汚い床でのたうち回り動かなくなった、という。

そしてその事件は収束に向かった。その後ヤンキーは二度と田中に逆らうことはなかったそう。そんな噂だ。

 

 

 

 

 

 

 

...俺は早く部活をやめようと思った。

いつおれに正拳突きが飛んでくるかわかったものではない。日々眼前で繰り広げられる凄惨な部活現場から一刻も早く逃げねばなるまい。そう思わせるのに十分な材料だった。

 

 

…しかしチキンな俺は辞められなかった。

 

 

田中の「ドンッ」

 

スパルタな練習にも徐々に慣れてきた1年目の夏ごろ、初の公式戦に出るチャンスをもらえた。

 

幸いにもこれまで田中にシバきをもらうことはなく順調に練習をこなしてきていた。

「田中も丸くなったなあ」なんて思ったりもしたがそれは感覚がマヒしてるだけ。罵詈雑言の嵐は止んでいなかったし、自分がシバきに遭わないだけで先輩部員は相も変わらずシバかれていた。

だがその初の公式戦にて「田中丸くなった説」は簡単にひっくり返された。

 

 

 

 

いよいよ公式戦が始まった。

 

情けないことに俺は何度も相手にボールを取られたり、走り負けするといったミスを繰り返していた。それを見かねた田中はタイムを要求。

 

チームメンバーがベンチの方に戻り田中の作戦を聞こうと円を作る。しかし田中はなにも言わない。

すると田中がキッとこちらを睨みつけ何も言わずこちらに近寄ってきた。

なにを言われるんだっ!?いやとうとう正拳突きか…などと考えてたその瞬間

 

 

 

 

 

 

 

 

「ドンッ」

 

そんな音が響いた。いやおれの体内の中だけでの響きだ。

どうやら田中が目にも留まらぬ速さでオレのお尻を蹴ったようだった。範馬刃牙かよこいつ。

 

 

最初は感覚が無かった。間もなくして内出血が起こったのか、お尻は徐々に熱を帯び始め数秒後には立つことさえ難しくさせるほどの痛みが襲ってきた。またその熱を放熱しようとしているのかお尻の穴がヒクヒク動いているのも分かる。

 

田中は悶える俺に一瞥もくれず、なにも言わず試合再開の合図をレフェリーに送り試合を再開させた。何事もなかったかのように。

 

 

 

...いやこんなことがあり得るのだろうか。

田中は俺のケツを蹴る為だけに試合を中断させたのだ。

 

それに田中の蹴りは素人のそれではなかった。殺傷性があり、一度味わえば二度目の前には自白を余儀なくされる拷問のような悪魔的な蹴りだった。ケツに彗星が直撃したかのような衝撃だった。

てか蹴りも出来んのかよ…事前情報になかったぞこの野郎…

 

 

 

結局試合は自分のミスが原因かどうかは分からないが負けてしまった。そして程なく俺は退部を決意。

いや、甘えだなんだと思ってもらって構わない。そんなことを思われようがヤツのタイキックを受けるのはもう嫌。二度と「ドンッ」だけはごめん被りたい。

 

その後

 

そんな田中もいまではどこかの学校で教頭をやっているらしい。水を得た魚のように今日も生徒をシバき回っているんだろうか。

もうこれ以上ヤツの被害者は出てほしくない。早く捕まってほしい。

 

俺はあいつの「ドンッ」が怖い。