サッカーのポジショニングが分からなくて人権を失った話
中学の頃サッカー部に所属していたんですよ。
ポジションはサイドバックってところ。あれ、サイドバックてわかりますかね。
城の本丸を守るのがキーパーだとしたら、サイドバックは二の丸を守る的な役割な場所。サッカーコートでいうと右と左、両端から迫る敵を撃退するポジションです。
地味に見えるポジションなんですけど結構重要なところで。
もし、サイドから迫って来る不遜な輩を撃退しないと、やつらコーナーギリギリまで迫った後にゴール前にボールをほうりやがるんですよ。
ゴール前にボールが来たらどうなるかわかりますよね?そう、中にいる相手にシュート打たれるんすよ。
仮に相手チームに田中マルクス闘莉王なみのストライカーがいようもんならダイレクトにボレーシュートされて情けない失点につながる非常に危機的な場面になるんです。
ね?サイドバックって大変でしょ?
サイドバックは重労働
で、日々サイドバックのお仕事をこなしていました。いやこなしていたつもりでした。
いや、どういうわけか僕が守ってるはずのサイドに敵が侵入してくるんですよ。しかも次々と。
あの、スポーツでもなんでも勝負事っていうのは相手の弱みにつけこむことが重要じゃないですか。多分相手からしたら、僕がそれだったんですよ。
僕のところばっか狙ってきやがるんですよ。ボロボロのすねに幾度も16文キックされるような苦しみですわ。
侵入した敵はやはりボールを中にあげますよね。あがった先では、キーパーやディフェンスの方はもちろん、先程まで最前線で活躍していたストライカーの皆さんまでもがお戻りになられてチームの危機をなんとか退けようと奮闘してくれるんですよ。(僕ももちろん戻ってましたよ)
まぁやっぱ場所が場所ですから。なんせゴール前ですから。運命のいたずらでボールが予期せぬ方向に蹴られれば失点につながることが簡単に起こりえる状況なんですよ。
そんなだから監督やベンチも含めチーム全体、気が気じゃないですよ。
そんなふうにウォールシーナが突破されそうなくらいのヒヤヒヤを次々と生み出す僕は次第にメンバーから信用を失っていきましてね。
ポジショニングが悪い・・・?
もちろん原因究明に乗り出します。原因は「ポジショニング」というやつでした。
ポジショニングが悪いと、相手の動きが把握できず自分の裏に走りこまれたり、相手のパスがつなげやすくなったりします。極端な話、キャッチャーがセカンド守ってるような感じ、立ち位置のズレみたいなもんですわ。
しかしですね、サッカーは野球と違い刻一刻と戦況が変化します。戦場みたいなもんです。チーム全体で前へ進んだり、後ろへ下がったり。自ずと1人1人が立つ位置も、前へ後ろへ右へ左へと変化を余儀なくされるんです。そこに僕はついていけませんでした。てかどこにいればいいかまったく分かりませんでしたね。まあたしかに、右手と左手の定義が小3でわかったくらいなんで方向感覚に自信はありませんわ。
これはいわば「分かると出来るは違う」という状況ですよね。原因は理解できたが行動に落とし込めていない。
ということなので事は一切進展しておりません。お分かり?
ボランチやってみないか?
そんな僕に転機がおとずれました。
その日も元気に最前線のストライカー達をゴール前に強制召喚していました。
もはや「裏取られてごめん!」の謝罪に対する返答も徐々に無くなりいよいよ人権が無くなってきたころでした。
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監督「オイいろいろ!」
ーはい!
監督「おまえボランチやれ!」
監督「いいからこの試合ボランチやってみろ」
ーは、はい!とりあえずやってみます!
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あの、急にボランチとか言われても分かりませんよね。ボランチってココなんですけど...
...いや、ムリじゃん。
いきなりどうした?昨夜『GIANT KILLING』読破した?え、度重なる失敗からいまや僅かな人権しか残されていない僕にこんな重要なとこ託していいんですか?もしかして僕の中にかすかに希望の灯見出してここで大一番のギャンブル出たんですか?...あぁそういえばあんときの監督カリ梅パリッってやってたわ。うん屋形越え狙ってたわ。
じゃあ、僕もその賭け乗りますよ...監督...ッ‼行ってきます...!!
-10分後-
監督「オイいろいろ!下がれ!使えねぇわおまえ!」
ーオス!!(人権0%)
まとめ
ポジショニングが分からない人はサッカー辞めよう。人権もクソもへったくれもありゃしないんだからあの世界は。あぁ怖え怖え。
いまだにサイドバックで裏取られる試合をテレビとかで見ても悪夢フラッシュバックすんだからな。
それではまた!